チェコのガラスボタン2
2014年 02月 25日
小春日和ですでに春が来てしまったようなプラハです。
ウクライナでの暴動が連日ニュースで報道されています。
大統領の辞任と共に暴動は沈静化していますが、沢山の方が命を落とし残酷な死を遂げた。
暴動の映像を見て、現実に起こっていることとは思えず、ショックの一言。
大勢の亡くなった方のご冥福をお祈りします。
先日の続き、ヤブロウネッツ・ナド・ニソウのガラスボタンについてです。
現在作られているガラスボタンは町にいくつかある小さな工房にて製造されています。
マチカージュ(職人)の手によって、一つ一つ丁寧に作られるガラスボタン。
一つのボタンの完成する期間は約8週間。
完成するまでには20人もの人の手に渡って、仕上がるのだとか。
繊細なガラスボタンの構造上、機械化できない職人の匠の技が必要なのです。
ガラスボタンが作られる行程は、工房の方に聞いてみるとこんな様子です。
1、まずは材料となるガラス棒。丸い棒状をしています。
ボタンにはサイズも小さいものから大きいものまで沢山あり、絵付けの色も選べるので、
ボタンの種類は数え切れないほど無数になります。
金型はヤードロと呼ばれ、繊細なボタンの表面の重要な型となります。
それを巨大ペンチのような形の工具と接着して、熱く溶けたガラスをぎゅっとはさみ、
型をつけるのです。
現在は需要が少なくなっているので、新しい金型は発注がないと作られないそう。
新しいデザインは世界に1個だけの、貴重な存在になるのです。
3.ガラス棒を熱した炉に入れて少しづつ先端から溶かしていきます。
炉の前でする大変熱い仕事のため、気温の上がらない早朝3時頃から昼前にはお仕事を終えるんだそう。
型は一つづつしかつけられないので、一度に4個から5個づつ。
そしてまたガラス棒を炉に入れて、の繰り返し。
単純作業のようではありますが、素人ではできない一番大切な最初の行程です。
少しでも欠けてしまったら、欠品となってしまいます。
力具合いが大切で工房のマチカージュ(職人)のおじさんはこの道50年だと行っていました。
水を流しながら、ガラス本来の持っている透明な色を損なわないよう、彫刻も入れます。
丸いボタンだけではなく、色んな形のボタンができるのはこの行程が重要です。
現在絵付けは絵付師の人がご自分の自宅などでやっているそうです。
とても美しいボタンのペイントなども、繊細に入れられていきます。
こちら絵付けタイプのガラスボタンのサンプル品。
これらの行程をえて、一つのガラスボタンが完成します。
それぞれの行程で職人達が自分のできる最高の仕事をして、次の人に渡すのです。
沢山の人が思いを込めて作った1品だからこそ、感動的な美しさになるんでしょうね。
素晴らしいチェコの伝統技術、今後世界に広がるよう応援していきたいものです。
お世話になった工房の方も、ご自分の着ている洋服のプラスチックボタンを指差して、
「今はこうじゃないと、洗濯機にも入れられないよ。」
その顔がとても切なそうで、消えつつある自分達の仕事に歯止めをきかせることはできないのでしょうね。
何につけようか、、、色々考案中です。
ガラスボタンの町、ヤブロウネッツ・ナド・ニソウへ行ってボタン工房や美術館などを見る
見学ツアー(プライベート)を昨年度から始めましたので、ご興味があられる方は↓サイトへどうぞ。
詳細はこちらからどうぞ
実際にボタンの発注をされる場合は、一つのデザインで60個からとなります。
完成に約8週間ほどかかります。日本への発送も可能です。
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