モラヴィアワインの旅2010
2010年 12月 08日
ベトベトな最悪状態のチェコです。
解けた雪が凍り、融雪剤がしっかりまかれてない歩道では、歩行者がつるっと転んで
怪我をして相次いで病院に運ばれているニュースが。
まだまだ雪+天気のニュースが毎日の日課になっています。
明日8日は、労働組合の大々的なストライキがチェコ各地で行われます。
公務員主体のストライキで、各地の公営施設は明日は土日並みの運営、あるいは閉鎖だそうです。
ストライキの目的は、賃金値上げデモ。
先日も大々的な賃金値上げデモが起こったばかりのチェコ。
経済不況で、失業率があがり、各企業も賃金カット・人材カットを大幅に行い、、、そんな悪循環の社会のなかでストライキが起こるのも普通の原理かとは思います。果たして人々の思いは政府に届くのでしょうか、届いて政府が動いたらチェコにとって89年以来の革命になるかもしれません。
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モラヴィアへワインを求める癒しの旅、その2をお届けします。
翌日は、Kosikさんのワイナリーの近辺を歩いていると、
おじさんが声をかけてきます。
「君達、どこへ行くの?僕のワイナリーでワインを飲んでいけばいい」
いちおう午前10時、まだまだアルコールは・・・とお断りしてのですが、
半ば強引に彼のワイナリーへご招待。
モラヴィアのワイン生産地を歩いていると、よくこんな風に声をかけられます。
あるいは、私達一向がよほど酒好きに見えるのかもしれませんが・・・。
ちなみにこんな風に声をかけられたのは、過去にもあります。
(もちろん後のお金が目当ての場合もありますが、大体は自分の作ったワインを誰かに飲んでもらうことを楽しみにしている人も多いのでしょう。)
好意に甘えて、自家製ワインの賞味にさずかりました。
モラヴィア地方の葡萄生産地では、約200年続く各家のマイセラーを持っている人が多く、入り口はこんなヒストリカルな風貌です。
自分で収穫した葡萄から、白・赤何種類かのワインを作ってるそうです。
色は濁ってますが、発酵段階のどぶろくワインです。
おじさんは、社会主義時代にチェコ脱出を試みて、トルコまで行ったらしい。
その頃は何にも物がなくて、チェコに戻ってきても(よく戻ってこれたって話ですが)、
これといって明るいことはなく、大変な思いをしたとワイン片手に語ります。
次々とワインの試飲をさせてくれまして、今年できたてのまだ発酵途中のワインが
軽く飲みやすく、叔父さんの好意に甘え、計6人で押しかけた私達は叔父さんのワイン
を次々と飲んでいきます。
しかし叔父さんは、喉が渇いたらワイナリーへ来てワインを1,2杯飲んで仕事する
そうですから、この程度はきっとなんの程。
すっかりご馳走になり、お礼程度のお金を払い、さよならを言って叔父さんと
お別れしました。
叔父さんが語っていたことは本当か、嘘か、酔っ払っての夢の話か分かりませんが、
ワインを求めていったモラヴィアでの十分な収穫でした。
でも叔父さんの顔は、なんだか典型的なチェコ人っぽくなかったけど、もしかしたら
本当にトルコあたりから流れてきたのかもしれない。
結局土曜日の午前中は叔父さんの酒蔵、夜間はKosikさんの酒蔵で過ごした週末。
モラヴィアっていいです!